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【なぜ?】丸亀市の「市民ひろば」を今、再整備する理由

前回までに、大手町4街区について次のようなコラムを紹介しました。

そんな「丸亀市民ひろば」が、新しく生まれ変わるために令和8年(2026年)10月から一時的に閉鎖されています。

長年親しまれてきた場所だけに、「このままでも十分じゃない?」と感じるのも、自然なことだと思います。

それでもなぜ、生まれ変わろうとしているのか。

第3回の今回は、市民ひろばの変化の歩みや市民のみなさんの声、計画の背景から、生まれ変わる理由をひもといていきます。

市民ひろばは、“市民の場所”であり続けるために変わってきた

市民ひろばが生まれたのは、昭和50年(1975年)。「どこよりも住みよい街づくり」の一環として建設しました。

かつては武士や軍隊のためだった場所を、市民のために作り替えたんです。

当時の市長は祝辞で、市民ひろばが「市民的コミュニケーションの場」になることを願っています。

丸亀市提供:「丸亀市民ひろば」パンフレット(昭和50年)より、市長の祝辞「市民ひろばの完成にあたって」

市民ひろばの完成にあたって

近年、都市における公園と人間との関わりについて、人間性復活、という観点からこれを取りあげ、いわゆる都市化に伴う環境問題への提言の形で各方面から強く叫ばれ、問題となった時代はありません。かかる時に市制七十五周年を記念して五億九千百十六萬参千円の巨費を投じて建設中でありました工業再配置補助事業による市民ひろばの完成をみましたことはまことに意義深いものがあり喜びにたえません。

本市は古くから丸亀城を中心とした匂い豊かな文化と伝統をほこる中讃地域における中核都市として確固たる地位を占めておりますがかねてより、私の標榜する“どこよりも住み良い街づくり”を更にすゝめるため、この古きよき伝統の上に新風を吹きおくり、市民福祉の充実をはかり将来ともに、この地域における中心的役割を保持して行きたいと念願しております。

このたび落成いたしました、“市民ひろば”は“どこよりも住みよい街づくり”施策の一環として建設されたものであり壁面を流れ落ちる清冽な滝を背景に、目もあやな花木にいろどられ、欅は空に高く……まさにプラザと呼ぶにふさわしく、市のシンボルである丸亀城とともに、市民的コミュニケーションの場となることでありましょう。そしてこの広場を中心として今日の都市生活に必要な公共空間を共有のものとしてとらえて行く、共有感覚が芽生え、やがては、この認識が明日の丸亀をつくりあげる基盤となることを期待して一言お祝の言葉といたします。

昭和50年3月 丸亀市長 堀家重俊

以来、市民ひろばと周辺は、“市民の場所”であり続けるために、時代に合わせてさまざまな変化を重ねてきました。

たとえば生涯学習センター向かいにあった、丸亀城をモチーフにした電話ボックス。

普通の電話ボックスと比較してみると、今見ても「何これ!?」と目を引くデザインですよね。

左:丸亀城をモチーフにした電話ボックス / 右:街で見かける一般的な電話ボックス

特徴的な形で親しまれてきましたが、携帯電話の普及により、公衆電話が少なくなっていく中で役目を終えました。

園内の灰皿も、受動喫煙への意識の高まりとともに、撤去されています。

2023年には、噴水や人工滝があったエリアにも変化がありました。

写真:丸亀市提供 平成元年(1989年)5月撮影

老朽化への対応と駐車場不足の解消のため、臨時駐車場へと姿を変えています。

市民ひろばは、私たちの生活の変化に合わせて、マイナーチェンジ(小改良)を繰り返してきました。

でも、暮らしや街の変化が大きい現代に対応するためには、フルモデルチェンジ(大きな改良)が必要になったんです。

実はこの場所、まだ“発展途中”だった

なぜ、フルモデルチェンジが必要なのか。その答えは、街の移り変わりにあります。

1970年代の丸亀駅周辺は、市民ひろば前の日曜市や、商店街の土曜市などで賑わっていました。

写真:丸亀市提供 昭和62年(1987年)10月撮影 ※画像を月刊マルータ編集室にて一部加工して掲載

その賑わいは、1980年代ごろから少しずつ変わっていきます。

車が普及したことにより、暮らしの場が郊外へ広がっていきました。

実際に、旧城下町エリア(富屋町・大手町など)の定住人口は、30年で4割以上も減少。

年代定住人口
昭和53年(1978年)1,909人
平成20年(2008年)1,024人

とはいえ、市民ひろばを含む4街区の施設は、今まで困ることなく使われてきました。

ただ、このまま何も変えなければ、旧城下町エリアの人口は、さらに減り続けるおそれがあります。

人が減れば施設も減り、いずれは、今当たり前に使えている公共サービスまで、失われかねません。

一方で、再編整備が先に進んだ北街区のマルタスには、子ども連れのご家族や学生さん、年配の方まで幅広い世代が訪れています。

マルタスの賑わいが、建物の中だけにとどまっているのは、もったいない!

つまり大手町地区4街区の再編整備は、まだ“発展途中”。

北街区が整い、建物の外に広がる市民ひろばを、これから再編整備していきます。

市民の声から見えてきた、今の市民ひろばへの“要望”

市民ひろばのある南街区の整備方針を定める前に、丸亀市はできるだけ多くの市民の声を聞こうと、「オープンハウス」を開きました。

出典:丸亀市「丸亀市大手町地区4街区南街区再編整備基本計画」8ページより抜粋※画像を月刊マルータ編集室にて一部加工して掲載

オープンハウスとは、パネルや模型、VR映像で計画案を展示し、担当者と話しながら意見を伝えられる説明会のことです。

開催された7日間の来場者、計304人の中から、新しくなる市民ひろばに対しての要望を、次の2つの形で集めました。

  • メモ用紙に書いてくれた意見:177件
  • 口頭で伝えてくれた意見:59件

メモに書かれた意見をカテゴリー別に分けると、多かったのは次の4つです。

カテゴリー割合
飲食13%
子どもが遊ぶ12%
休憩・くつろぎ10%
イベント10%
出典:丸亀市「丸亀市大手町4街区南街区整備に関して」18ページより抜粋

メモに使われた言葉では「子供」が最多で 、「駐車場」「遊具」「屋根」「木陰」といった言葉も目立ちます。

出典:丸亀市「丸亀市大手町4街区南街区整備に関して」19ページより抜粋

つまり、新しい市民ひろばに求められているのは、子どもが安心して遊べて、大人もくつろげる場所だと言えるでしょう。

オープンハウスの意見を、今の市民ひろばに当てはめてみます。

日ごろから市民ひろばの臨時駐車場にはたくさんの車が停まっており、「もっと駐車場がほしい」と求める声が上がるのもうなずけます。

また、夏の暑さをしのぐ「屋根」や「木陰」を求める声は、年々上がる気温とも重なりますね。

次の写真のような木陰がないと、近年の猛暑では熱中症になる人が出てしまうかもしれません。

令和4年(2022年)11月に丸亀市が行った、インターネットアンケートにも、次のような意見がありました。

  • 「小さな子が安心して遊べる遊具を設置したらいいと思う」
  • 「カフェなどのくつろげる場所」
  • 「お茶の店を考えてほしい」

長年親しまれてきた市民ひろばだからこそ、「もっとこうなったら」という“要望”が見えてきたんです。

マルタスの活気を市民ひろばへ

この再編整備は、昨日今日から始まったことではありません。

目に見えて変わったのは、2023年の臨時駐車場化からですが、計画そのものは10年以上前から動いていました。

時期できごと
平成25年(2013年)新市庁舎の整備計画とあわせて、4街区全体の将来ビジョンを検討
平成26年(2014年)市庁舎等の整備における基本方針を決定
平成30年(2018年)「大手町地区4街区再編整備構想」を策定
令和3年(2021年)新市庁舎・マルタス(北街区)が開館
令和7年(2025年)市民ひろば周辺(南街区)の基本計画を策定
令和8年(2026年)シアターマド(北街区)が開館

先に建てられた北街区のマルタスでは、ワークショップなどのイベントが日常的に開かれ、立ち寄る場所として定着しつつあります。

その成果は、令和4年度の丸亀市の公式データにもあらわれているんです。

マルタスが当初目標にしていた年間利用者数57,000人に対して、実際は97,236人の方が訪れました。

なんと目標の約1.7倍!

さらに北街区には、令和8年(2026年)9月に開館したシアターマドも加わり、もっと活気あふれる場所になりそう!

開館から1ヶ月後の10月初旬に行ってみると、すでに学生さんやスーツ姿の方が次々と訪れていました。

北街区のマルタスやシアターマドで生まれた活気を、今度は南街区の市民ひろばまで広げていきます。

計画では、子どもたちが安心して遊べる空間、屋根のある休憩所、イベントを楽しめるスペースを整備することが盛り込まれています。

市民ひろばの“要望”にも、暮らしや街の変化にも応える整備が、いよいよ動き出しています!

まとめ

今回のポイントを振り返ってみましょう。

  • 市民ひろばと周辺は、電話ボックスや灰皿の撤去など、時代に合わせて少しずつ変わってきた
  • 市民のみなさんの声には、子どもの遊び場や飲食の場を求める意見が多く寄せられている
  • 再編そのものは、10年以上前から動いていた
  • マルタスの利用者数は目標の約1.7倍になり、その勢いで市民ひろばの整備も進んでいる

なぜ今、あらためて市民ひろばを再整備するのか。

その答えは、北街区で生まれた活気を市民ひろばにも広げ、これからも“市民の場所”であり続けるためです。

次回は、いよいよ具体的な整備内容をご紹介します。

新しい市民ひろばには、どんな空間が生まれるのでしょうか。

大手町地区4街区で行われるイベント

該当するイベントはありません。

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