讃岐平野に立ち込める、真夏の猛烈な陽炎。強い日差しと高い湿度の夏。
そんな過酷な暑さを忘れさせてくれる「秘密の場所」が、綾川町にあります。
それが高鉢山風穴です。
1年中、10℃前後の風が吹いている「天然のエアコン」で涼んできました!
高鉢山風穴とは?
高鉢山風穴とは、讃岐七富士の一つに数えられる高鉢山(=綾上富士)」にある風穴です。

そもそも「風穴」の説明がいりますよね。こちらの図解をご覧ください。

高鉢山の東側には「ごうろう(石塊流)」と呼ばれる岩肌の隙間が点在しています。
そこから山の内側に吸い込まれた空気が、複雑に重なり合う岩の層を通る過程で冷やされ、風穴から吹き出してくるのです。
その場所の写真がこちら。

ここに入った瞬間「え? エアコンがついてる?」と思うほどのひんやり具合です。
わたしが行った日の気温は35℃以上ありましたが、高鉢山風穴の中は9℃でした。

この温度計は風穴の中に設置されているものです。
香川のような温暖な地域において、これほど低温の環境が維持される現象は極めて稀なケースとされています。
高鉢山風穴の場所と道のり
高鉢山風穴の場所はこちらになります。
ふた通りの道がありますが、東側から行ったほうが行きやすいです(わたしは西の道から行って大変だった)。
香川県道17号府中造田線沿いにある「山角薬師堂」の角に次のような標識があります。

あとはこの矢印に沿って行くだけです。
途中から携帯電話の電波が届かなくなるのでご注意ください。
高鉢山風穴までの道のりは、「山道」です。
こんな感じでけっこう狭めの道になっているので、「対向車来たらイヤだなぁ……」とドキドキしながら運転しました。

平日(月曜)の午後2:00ぐらいだったので、実際にすれ違った車は1台だけでした。
休日になるともう少し多いと思うので、可能なら平日をオススメします。
中腹の標高約370メートルあたりに、「炊事棟」が見えたらゴールです。

この炊事棟の目の前にこんな階段と看板があります。

高鉢山風穴の駐車場は?
高鉢山風穴の駐車場はあるのでしょうか?
たくさんはないですが、少しならあります。
次の地図の左下のほうに「P」マークが2か所にありますよね。

この看板のある場所から「高鉢神社」に登れます。
風穴から歩いて3分ぐらいのところにある「管理棟」の横に2〜3台ぐらい停められるスペースがあります。
Googleストリートビューで見ると、こちらになります。
あと、左の端にある「P」マークはこちらです。

「管理棟」から少しだけ下ったところのカーブあたり。
Googleストリートビューで見ると、こちらになります。
さきほどの「炊事棟」の前も、小さい車なら停められそうです。

こういう場所に行くときは、軽自動車が便利ですね。
この「炊事棟」およびキャンプ場は、現在閉鎖されています。
高鉢山風穴までの道
では、高鉢山風穴まで登りましょう!
基本的には階段を登って、次の写真の右上に見える「石垣(石室)」を目指します。

この看板にあるように「スロープ」もありますが、車椅子で行けるような塗装されたものではありません。
普通に「山道」なので、「ラクラク登れる♪」と期待しないように。
階段を登っていくと……

1〜2分でゴールです!
ゴールの石室の前には、次のような屋根のあるスペースがあります。

ここには「風穴ノート」がありました。

「〇月〇日に登ったよ!」みたいに、訪れた人が自由に書き込めるノートですね。
そして、目の前にはゴールの石室です!

石室のすぐ近くに「高鉢山の風穴」の説明が書かれた看板がありました。

念のため、テキストにしておきますね。
高鉢山は「綾上富士(あやかみふじ)」ともよばれ、讃岐七富士の一つとして数えられています。かつての火山活動を思わせる円錐形の山で、標高五一二mの山頂には昭和一六年から四六年まで航空灯台が灯をともしており、地域のランドマークとなっていました。
この山の中腹、標高三七〇mに位置する場所に高鉢山の風穴があります。
風穴は冷蔵庫がまだない時代に蚕種(蚕の卵)の保存を目的に利用され、その後ウド、みかん、豆、グラジオラスなどの種子貯蔵の役割を担ってきました。大正のはじめには、この風穴の周りを高い石垣で囲んだ白亜の殿堂が建てられ、時の香川県知事の臨席を得て盛大な開所式が行われたと伝えられています。
風穴の中は真夏でも十℃前後に保たれています。その仕組は、高鉢山の東側「ごうろう」と呼ばれる岩肌の隙間から入った風が、山の中を通っていくうちに冷やされ、風穴からでてくるためと言われています。
百年以上の歴史をもつ高鉢山の風穴は、地元住民に親しまれながら、現在は夏の涼を楽しむクールスポットとなっています。
この風穴は100年以上前から知られており、夏も冷たいことから、蚕の卵を保存し、孵化時期を調整するために使われていたんですね。
その後はウド、みかん、豆などの種子を貯蔵していたということです。
エアコンのない時代には、重宝されていたことでしょう。もちろん、車のない時代にここまで登るのは大変すぎますが(笑)。
高鉢山風穴の石室内の様子
では、高鉢山風穴に入りましょう。
……というか、もはや中に入らなくても、冷たい空気が流れてきています!

なんと、左手側にある岩と岩のすきまから冷風が出ているようです。

もう少し拡大。

この岩が積み重なっているところに穴があるんです。
ここから冷風が出ています!
では、石室に向かっていきます。

ひんやりした風が気持ちいいー!
そして、広くなっているところに着きました。

ここが「高鉢山風穴」です。

高さは約4メートルという感じでしょうか。

上には屋根があるため、雨の日に来ても大丈夫そうです。
まわりの壁は、岩が敷き詰められていて、石垣になっています。

この岩と岩の間から冷たい風が出てきています。

そのためこの石室内に入ると、本当にエアコンの効いた部屋に入ったような感じです。
常に10℃〜12℃前後なので、エアコンの効きすぎた部屋ですね。
涼しいを通り越して寒いレベル。
足元には砂利が敷かれています。

なんだか井戸の中にいるみたいです。
この石垣は触らないようにと、注意書きがありました。

ネットとも書かれていますが、設置されていませんでした。
この石室を出ると、また暑い日常に戻るのが不思議です。

そもそも、こんなに涼しい風が真夏に自然のなかでつくられているのも不思議ですね。
先述したとおり、この冷風は完全に科学的なメカニズムでつくられています。
でも、まるで山が深く呼吸し、大地の底から冷たい吐息を漏らしているかのような神秘を感じますね。

外に出て中に入るのを3回繰り返しました(笑)。
裏側からこの石室を見ると次のようになっています。

すぐそばには、バンガローもありました。

このバンガロー、およびキャンプ場は今は閉鎖されております。
まとめ
今回紹介した高鉢山風穴は、香川県民でも行ったことのない人が多いのでは?
風穴の石室そのものは地味ではありますが、冷風のつくられるメカニズムを知ると神秘的な気持ちになります。
「これが天然でつくられているのか!」と思うと感動は何倍にもなるはずです。
個人的には、もう少し下ったところにある、こちらのポイントから見る景色もよかったです!

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