「自動車学校のインストラクターになろう」
そう考えて進学先や就職先に自動車学校を選ぶケースは、それほど多くないかもしれません。
そもそも、自動車学校のインストラクターになるにはどんな資格が必要で、どんな人が向いているのか、ちょっと気になりませんか?
坂出自動車学校の若手インストラクター、篠原さんにご自身のお仕事についていろいろ聞いてみました。
篠原亮さんはなぜ自動車学校のインストラクターになったのか
中学・高校の理科教員免許を取得し、学校の先生になることを考えていた篠原さんは、なぜ坂出自動車学校で「運転の先生」になったのでしょう。
その少し意外な就職物語を、月刊マルータ編集室の楠田が聞きました。

- 篠原 亮さん
- 1997年生まれ
- 善通寺市出身
- 国立大学理学部から大学院へ進み、中学・高校の理科教員免許を取得。大学院在学中に自動車学校の仕事へ興味を持ち、卒業後に坂出自動車学校へ入社。
- 普通車、準中型車、大型自動車、普通二輪、大型二輪の教習指導員資格を中心に、複数の技能検定員資格や各種講習・検査に関する資格を取得している
※プロフィールおよび保有資格は取材時点の情報です。
楠田
篠原さんは、なぜこの「坂出自動車学校のインストラクター」という職業を選んだんですか?子どものころから自動車学校の先生になりたかったとか?
篠原
いえ、大学に入った頃は高校の教員になろうと思っていました。
楠田
自動車学校ではなく、本当の学校の先生。
篠原
そうです。大学の理学部で学んで、大学院まで進んで、中学と高校の理科の教員免許も取りました。
楠田
でもそこから一見関係なさそうな自動車学校へ。何か心境の変化があったんですか?
篠原
僕が大学院へ進んでいる間に、学部を卒業した友人たちは先に就職していたんですね。その友人たちが、就職先で結構大変そうにしている姿を見たんです。
楠田
ちょっと社会の闇を見てしまった?
篠原
ちょっと見てしまったかもですね(笑)。自分はもう少しやりがい重視で前向きに働けるところがいいなと考えるようになって。
「運転が好き」「人に教えるのが好き」がインストラクターに向かわせた
篠原
僕は車の運転が好きだったんです。それに、人に何かを伝えて、理解してもらうことも好きでした。それなら、自動車学校の仕事は自分に合うかもしれないと思って。

篠原
教員という仕事とも少し共通したところがあって、人に何かを伝えて理解してもらうことには、もともと興味がありました。
楠田
「運転が好き」と「人に教えることが好き」が合体した。
篠原
そうですね。自動車学校って面白そうだなと思いついたのが、大学院1年生の3月でした。
入口は運転への興味とコロナ禍での偶然
コロナ禍で就職活動が止まり、残った面接先は一つ。
篠原さんが就職活動を始めようとしたのは、2020年。新型コロナウイルスの感染が広がり、企業説明会や採用活動が相次いで中止・延期になった時期でした。
篠原
みんなが就職活動を始めるころだったんですけど、全部止まってしまいました。普通の企業説明会にも参加して、いろいろな会社を見ましたが、やはり僕にはあまり楽しそうに思えなくて。
楠田
そこで、地元香川の自動車学校を探した。
篠原
香川県内の自動車学校をいくつか受けようと思って、3校に履歴書を出しました。でもそのとき僕は広島に住んでいて、ちょうど感染拡大の時期で、面接まで進めたのが坂出自動車学校だけだったんです。
楠田
香川県内の複数の自動車学校を比較して、就職先として一番よかったのが坂出自動車学校だった……という美しい話ではなく。
篠原
比較も何も、コロナで実際に受けられたのがここだけでした(笑)。
楠田
かなり偶然に近い就職ですね。
自動車学校のインストラクターという仕事の奥深さ
自動車学校を訪れる人の経験や性格は、一人ひとり違います。
教習コースですぐに運転に慣れる人もいれば、ハンドルを握るだけで緊張する人もいます。
インストラクターは、運転操作を見ながら、その人がどこで困っているのかを考え、伝え方を変えていく必要があります。

楠田
自動車学校のインストラクターさんは、常にお客さまと接する仕事ですが、篠原さんはストレスを感じることはありませんか。
篠原
やっぱり全然ない、とは言えないですね。人によって運転の得意不得意は違うので、教えるのが難しいと感じることはありますね。
楠田
そこは、日々いろいろ工夫されているんですね。
篠原
はい。でもその先で、お客さまができるようになってくれたときの達成感がすごく大きいです。そこが楽しいですね。
楠田
難しかった人が、できるようになる瞬間。
インストラクターの資格取得は坂出自動車学校が強力バックアップ
自動車学校で教習を担当するには、国家資格である「教習指導員資格」が必要です。
さらに、卒業検定などを担当するには「技能検定員」の資格も必要になります。
坂出自動車学校では、未経験者や第二新卒も採用対象としていて、資格を持っていない人は入社した後に取得を目指します。
筆記試験の勉強や運転練習に専念できるように会社が資格取得を支援する仕組みが設けられています。

楠田
篠原さんも入社してからインストラクターになるための資格を取ったんですよね。勉強や練習は大変でした?
篠原
僕は楽しかったですね。坂出自動車学校という会社は、何かに挑戦したいと言うと筆記試験の勉強や運転の練習面ですごくサポートしてくれるんです。
楠田
「やりたい」と手を挙げたら、どんどん行っていいと。
篠原
そうです。挑戦を後押ししてもらえるので、モチベーションも上がります。「もっとやっていいんだ」と思えますね。
楠田
どんな資格をお持ちですか。
篠原
普通車の教習指導員と技能検定員、準中型車の教習指導員と技能検定員、大型自動車の教習指導員、普通二輪の教習指導員と技能検定員、大型二輪の教習指導員を持っています。それから運転適性検査、応急救護、認知機能検査の資格も取得しました。
楠田
もう資格、全部取ってないですか(笑)?
篠原
いえいえ、大型自動車や大型二輪の技能検定員とかまだ取ってない資格もありますよ。
楠田
それでその資格も、これから。
篠原
はい。毎年いくつかずつ増やしていきたいです。
楠田
会社から「次はこれを取りなさい」と指示されるのではなく、自分から挑戦しているんですね。
篠原
もちろん仕事として必要なこともありますが、自分がやりたいことを応援してくれる職場だと思います。
坂出自動車学校では、インストラクター本人が新しい資格へ挑戦やすい環境を整えていることがわかります。
会社が勉強や練習を支え、資格を取得すると、担当できる教習や講習が増える。
スタッフひとりひとりの意欲が会社全体のさらなる次の挑戦への意欲につながっていくサイクルができています。
ここに坂出自動車学校の「強さ」の秘密が隠されていると思います。本人の「やってみたい気持ち」に会社全体で応援する形です。
挑戦の先にあるインストラクター像
楠田
将来は、どんなインストラクターになりたいですか。
篠原
難しいですね。成長した先に、はっきりとした完成形があるわけではないので。
楠田
「歌って踊れるインストラクターになる」とか。
篠原
それではないと思います(笑)。
楠田
うーん、でも先日の謝恩花火祭で華麗な浴衣MCデビューを果たしてましたよね?
篠原
あれ本当に突然言われたんですよ(笑)。

楠田
毎日の教習で大切にしていることは?
篠原
一時間、一時間、その人に合ったインストラクターになれるように頑張ることですね。
目の前にいる人にとって、どんな説明がわかりやすいのか。
今は励ました方がよいのか、落ち着いて繰り返した方がよいのか、少し違う言葉に置き換えた方がよいのか。
同じ教習内容でも、同じ伝え方が全員に通用するわけではありません。
「その人に合ったインストラクターになる」という篠原さんの言葉には、運転の技術だけでは測れない、この仕事の奥深さが表れています。
楠田
最初に話していた「楽しく働けるところへ行きたい」という希望は、かなったんでしょうか。
篠原
楽しいですね。自分がやりたいことをやらせてもらえているので。
自動車学校には、高校生や大学生が集中する繁忙期と、比較的落ち着く閑散期があります。忙しい時期には多くの教習を担当しますが、閑散期にはまとまった休みも取りやすいといいます。
楠田
休みの日は、何をしているんですか。
篠原
ドライブが好きなので、車で出かけます。
楠田
やはり運転が好きなんですね。二輪車でもツーリングへ?
篠原
二輪は仕事だけです。教習所でしか乗りません。
楠田
普通二輪も大型二輪も教えられるのに。
篠原
ビジネスライダーです(笑)。
インタビュー中も終始明るく和やかで、対話は理路整然としている篠原インストラクター。そ
の親しみやすさも相まって、「教えること」の止まらない進化が今後も楽しみです。
「運転が好き」だけではなく、「人が好き」な人へ
自動車学校のインストラクターと聞くと、まず「運転の上手な人」を思い浮かべます。
もちろん、安全に運転する技術は必要です。
しかし、話を聞いて見えてきたのは、次のような人物像です。
そんな人にとって、自動車学校のインストラクターは、思っている以上に可能性のある仕事かもしれません。
坂出自動車学校では、教習指導員資格を持っていない未経験者も採用対象としています。
入社後に勉強と運転練習を重ね、国家資格の取得を目指すことができます。
最初から運転を教えるプロである必要はありません。
篠原さんも、理科の先生を目指す大学院生からスタートしました。
就職先を考える中で「運転が好き」「人に伝えることが好き」という自分の中にあった二つの要素に気づき、運転の先生という新しい道を選びました。
進路を考えている本人はもちろん、子どもや親類の就職先について考えている方も、「自動車学校で働く」という選択肢を、少しだけ心に留めてみてはいかがでしょう。
意外なところに、その人らしく働ける場所があるかもしれません。
坂出自動車学校は、どんな会社?

坂出自動車学校 基本情報
| 名称 | 坂出自動車学校 |
|---|---|
| 所在地 | 坂出市西大浜北1丁目4-1 |
| 設立 | 1959年 |
| 種別 | 香川県公安委員会指定自動車教習所 |
| 主な教習車種 | 普通自動車、準中型自動車、大型自動車、小型限定普通二輪、普通二輪、大型二輪 |
| 主な講習・サービス | 高齢者講習、取得時講習、ペーパードライバー教習、企業・学校・地域向け交通安全講習など |
| 経営理念 | 共尊共栄 |
| 基本姿勢 | 自動車学校をサービス業と捉え、運転技術だけでなく、安全意識や大切なことをお客さまに伝える |
| 人材育成方針 | 「出る釘を伸ばす」を掲げ、社員の資格取得や新しい挑戦を支援 |
| 教習の特徴 | インストラクター研修や情報共有を行い、教習内容と接客の質を学校全体でそろえている |
| 地域活動 | 交通安全教室、チャリティー花火祭、ダンスイベント、もちつき大会などを開催 |
| 電話番号 | 0120-11-5658 |
| 営業時間 | 月~木曜 9:00~22:00 金曜 9:00~21:00 土・日曜、祝日 8:00~21:00 |
| 公式情報 | 公式ホームページ、Instagramで教習・イベント情報を発信 |
坂出市西大浜北にある坂出自動車学校は、1959年に設立された香川県公安委員会指定の自動車学校です。
普通自動車をはじめ、準中型自動車、大型自動車、小型・普通・大型自動二輪車の教習に対応。
免許取得のための教習だけでなく、高齢者講習、取得時講習、ペーパードライバー教習、企業や学校、地域に向けた交通安全講習なども行っています。
グループには、東京都の武蔵境自動車教習所をはじめ、人材育成やオンライン教習などに関わる会社があります。
設立から60年以上にわたり、地域の運転教育と交通安全を担ってきました。
企業理念は「共尊共栄」
共に認め、感謝し、学び、成長し、豊かになる。社員が成長を続けることで、お客さまに満足してもらい、地域に必要とされる会社であり続けることを目指しています。
自動車学校を単に運転技術を「教える」場所ではなく、お客さまに大切なことを「伝える」サービス業と位置づけているのも特徴です。
採用方針として掲げるのは、
「出る釘を伸ばすことが会社の役目」。
決められた仕事をこなすだけでなく、自分で考えて手を挙げる人を歓迎し、その挑戦を会社が後押しする。そんな環境が、篠原さんの成長にも大きく関係していました。
坂出自動車学校のウエブサイトに募集要項もあります。













運転技術を一方的に教えるのではなく、相手が理解し、できるようになる方法を探す。
篠原さんが学生時代に目指していた「先生」とは、教える場所も内容も違います。しかし、人の成長に寄り添い、理解できた瞬間や、できなかったことができるようになった瞬間を一緒に喜ぶという仕事の本質は、どこかつながっているようですね。