2022.01.24 おすすめ記事 乳腺専門医あきこ先生が解説 「ブレスト・アウェアネス」って何?

ブレスト・アウェアネスとは?

ブレスト・アウェアネスとは「乳房を意識する生活習慣」という意味で、普段から自分の乳房の状態や月経周期に伴う変化を知り、意識する習慣をつけることで変化に気づきやすくなろう、という考え方です。

ブレスト・アウェアネスの大切なポイントは以下の4つです。

1.乳房の状態を知る(見て、触って、感じる:乳房チェック)
2.早く乳房の変化(しこり、皮膚の凹みや血性の乳頭分泌など)に気づく
3.乳房の変化に気がついたら、すぐ医師へ相談する
4.40歳になったらマンモグラフィ検診を受ける

この中でも特に大切なことは「乳房の状態を知る」ということです。それは、「異常や変化に気づくためには、まず正常な状態を知らなければ気づけない」からです。

乳房の状態を知る方法

「乳房の状態を知る」ためには、まず、自分の乳房の全体を触ってみましょう。触ってみると痛いところや硬いところがあるかもしれません。それがもうずっとずっと前からある痛みや硬さであれば、心配ありません。それがあなたのいつもの乳腺です。
もしも、それがこれまでになかった痛みや硬さであったなら、まずは専門医を受診しましょう。そして、気になった症状を医師に相談することが大切です。

専門医で「異常なし」と診断されたら、たとえ痛くても、硬くても、それがその方の正常な乳腺です。それからはできるだけ日常的に乳房を意識して、今日と違うことがないか比較しましょう。乳がんを探すのではなく、いつもと違うことがないか、チェックするのです。

ブレスト・アウェアネスは、「異常」を見つけるための「自己」での「検診」ではなく、日常生活の中で乳房の変化を知る「乳房の健康チェック」の意味合いが強く、ふだんから意識していれば、乳房に何か変化があった場合にすぐに「いつもと違う」と気づくことができます。気になることがある場合にはすぐに医師に相談することで乳がんの早期発見につながるため、検診と同じくらい乳がん対策に大切なことが「ブレスト・アウェアネス」なのです。「ブレスト・アウェアネス」という習慣を身につけ、変化があった時にすぐに相談できる「お乳のかかりつけ医」を見つけておくことが、若い世代の乳がん対策としてとても大切です

医師のご紹介

乳腺専門医 水藤 晶子先生
多度津三宅病院
仲多度郡多度津町栄町2丁目1−36