2024.03.20 コラム 谷頭和希のマルータエリア商業見聞録〜第1回

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こんにちは。全国のチェーンストアについて、ビジネスサイトなどでコラムを執筆しているライターの谷頭和希です。この度、マルータさんとご縁があり、こうしてこの場所で執筆をさせていただくことになりました。

「どうしてマルータで?」と思う人もいるかもしれません。実は私、最近丸亀と東京の二拠点生活を始めまして、マルータエリアで生活をすることになったんですね。そもそも僕の親族が丸亀に住んでいたこともあって、子どもの頃からマルータエリアにはよく来ていました。ちなみに、本籍地は、今や猫の島として有名になった佐柳島です(多度津から船で行くことができます)。

この連載では、私が専門としているチェーンストアなどの商業施設について、マルータエリアでどのような動きが起こっているのかを、考えていきたいと思います。

丸亀に帰ってきて驚いたこと

さて、丸亀へ久々に来て、驚いたのは「商業施設が変わりまくっている!」ということ。特に驚いたのは「イオンタウン宇多津」。はじめて行ったときは「こんなところにイオンタウンあったっけ?」と思っていましたが、後から話を聞いて納得しました。「あ、あそこ、ビブレだったところか!」

「宇多津ビブレ」は、僕が小学生ぐらいの時にはまだあり、訪れた記憶があります。というか、幼い僕の記憶では、「宇多津=ビブレの街」というイメージでした。そういえば最近ビブレ行ってないなあ、と思ったらイオンタウンに変わっていたとは。

イオンは日本中に広がっています。2024年3月には国内外あわせて202店舗のモールがあり、国内にあるさまざまなスーパーマーケットや他のモールを買収しながらその勢力を拡大しています。

宇多津でもこのような動きが起こっていたわけですね。

意外とレアだった「ビブレ」

ちなみに、イオンタウン宇多津も、こうしたイオンの買収の流れを反映しています。もともと、この地にあったビブレ宇多津を経営していたのは、かつて近畿地方を中心にスーパーマーケットなどを運営していた「マイカル」。マイカルのショッピングセンターとして誕生したのが宇多津ビブレでした。

しかし、そのマイカルが2001年に経営破綻、そこでマイカルを救ったのがイオングループです。実は、この時点で四国に現存するビブレは宇多津ビブレだけになっており、レアな存在でした。

とはいえ、2011年にイオングループがマイカルを吸収、宇多津ビブレもイオングループが運営する施設となっていたのです。

「ビブレ」ってあんまり聞いたことない名前だよな、と思っている人もいるかもしれませんが、それもそのはず。「ビブレ」自体はマイカルがイオン傘下に入ってから増えることがなく、どんどん無くなっていったからです。

……と、「イオンタウン宇多津」の歴史について語っていきましたが、次回もこの「イオンタウン宇多津」について見ていきましょう。

連載第1回です。第2回はこちら

この記事を書いた人

谷頭和希
ライター・批評家。1997年生まれ。チェーンストアやテーマパークなど、一見平板に見える現代の都市空間について、独自の切り口で語る。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)など。