2026.03.24 コラム 新入社員ミキチャンの「万象園ハッケン伝!」

第1回 大名庭園って何ですか?

中津万象園の新人スタッフ・ミキちゃんが、万象園ゆかりの人物に素朴な疑問をズケズケと質問して答えてもらう新コーナー『新入社員ミキチャンの「万象園ハッケン伝!」』。
第1回のゲストは、万象園の護り人である「お庭さん」のリーダー・堀口課長です。

初めまして。昨年末から中津万象園のスタッフとして働いているミキです。
現在、中津万象園では、5人のお庭さん(庭師)が、広さ◯に及ぶ広大な大名庭園のお手入れをしています。これは、現存する他の大名庭園と比べても、かなり少数精鋭の部類だそうです。
そんなお庭さんのまとめ役でもある堀口課長に、私が入社してから抱いている疑問の数々をぶつけてみようと思います!

堀口「僕に分かることなら何でも聞いて下さい。僕は、松の木と女性を大切に扱うことにかけては定評がありますから、懇切丁寧にお教えしましょう」

堀口「おっと、以前のコーナーでサツキとツツジの違いを聞かれたので、今回もそういう類の質問かと思っていたのですが……。僕が把握している程度の話で大丈夫ですか?」

堀口「地味にプレッシャーを与えてきますね(笑) 大名庭園は、ものすごく簡単に言うと、『江戸時代に全国各地のお殿様が自分の領地や江戸のお屋敷に造った、エンターテイメント性満載の庭』です」

堀口「聞く所ところによると、品川区小山の京極家下屋敷には、8400坪の広大な庭園があったそうですよ。今も当地に残る京極稲荷というお社にその名を残しています」

堀口「万象園の稲荷社も、京都の伏見稲荷から勧請されたものですしね。稲荷社へと続く108本の鳥居回廊も映えスポットとして人気ですので、ミキチャンがどんどん情報発信してくださいね」

西山 折角いい収蔵品があり、広く壁面展示できるスペースがあるのに、活かしきれてないんじゃないかと。企画展示をするには、テーマへの専門性や話題性に基づいたタイミングが必要ですが、それにはやはり、常に情報に触れている学芸員の力が不可欠になってきます。万象園さんには長く学芸員が在籍されていないこともあり、持っている資産を使って面白い展示をするチャンスが来ても、それを逃している印象があります。

大名庭園のエンターテイメントとは?

堀口「それまでの日本庭園が縁側に座って静かに眺めるものだったのに対して、江戸時代にできた大名庭園の多くは、園路を歩きながら景色を楽しむ、テーマパークのような造りになっているのです」

堀口「お茶の流派などは詳しくないので語れませんが、大名庭園の目的の1つは、お客さんを呼んでおもてなしをする場所だったようですよ」

堀口「大名にとっては、立派な庭園を造ることが莫大な財力や高度な土木技術の証明にもなったのでしょう。お客さんに見せびらかしたい気持ちも分かります」

堀口「松に関しては、まあまあ頑張っていると思っています(笑)」

堀口「毎日何かしらの手入れをしてますので、お好きな時に見ていただいていいですよ(笑)」

堀口「そうなるとやっぱり、大傘松ですね」

樹齢約650年のクロマツ、その名も「千代の傘松」

堀口「それだけに、やはり手入れにも気を遣っています。樹齢約650年の老樹ですし。ここ母屋周辺のクロマツは、実はだいたい同じくらいの樹齢だと思われます」

堀口「それは、大きくならないように剪定しているからですね。髪の毛も切らないとどこまでも伸びるじゃないですか?原理はそれと一緒です」

堀口「そんなことはないですよ。高い松もほったらかすと幹が折れて大惨事になったり、木陰を作って周辺の低木に影響を与えますから、1本1本丁寧に管理しています」

堀口「グイグイ来ますね(笑) 他ならぬミキチャンの頼みとあらば、受けて立とうじゃないですか」

堀口「幸い、僕は落ちたことがないです(笑)」

堀口「そんなの作られた途端に落ちそうな気がするので、絶対やめてくださいね(笑)」

今回は、造園課堀口課長のお話を伺いました。大名庭園がどんな場所なのかもよく分かりましたし、園内に約1000本ある松を、1本ごとに管理して手入れしてらっしゃるお庭さんの仕事がすごく大変だということもよく分かりました。もっといろんな種類の松があるのかと思っていましたが、園内のほとんどの松はクロマツなのだそうです。お庭さんがそれぞれを「お似合いの髪型」にすることで、お互い干渉し合わないようにしているんですね。

今回の取材を通して、万象園のことを発信する立場として、もっと色んなことを詳しく知りたくなってきましたので、これからどんどん体当たりであちこち取材していきたいと思います!どうぞお楽しみに!