2026.02.20
コラム
中津万象園賛助会員が語る「中津万象園のここが凄い、こう使いたい」
第10回 多度津町立資料館 館長 西山慶祐さん

――西山さんには、昨年の速水史朗先生の作品展をはじめ、中津万象園丸亀美術館での展示において、学芸員の立場から何度もアドバイスをいただいております。お忙しい中にもかかわらず、いつも展示室まで足をお運びいただいて貴重なご意見をたまわり、本当に助かっています。
散々手伝ってもらっておいてこんなことを聞くのもなんですが、どうしてそこまでしていただけるのでしょう?
西山 僕は多度津生まれの多度津育ちで、子どもの頃から中津万象園を訪れる機会も多く、親しみがある場所、というのはあります。美術展を観に来たこともありますし、幼稚園児の頃にお茶を習っていたこともあって、園内にお茶を飲みに来たこともあります。祖母が懐風亭をよく利用していましたので、一緒に食事にも来ていました。今の自分の生き方にも繋がる、大切な思い出が詰まった場所です。
――一般的な丸亀の子どもたちよりも、間違いなく親しんでらっしゃったのですね(笑)
西山 もちろん子どもの頃は親しんでいただけでしたが(笑)、町立資料館で館長をしているくらいですから、もともと郷土の歴史が大好きなんです。多度津は丸亀京極家の支藩ですし、その丸亀京極家の大名庭園には、郷土の文化財としても当然興味がありました。場所も多度津に近いですし。
――万象園の戦前の絵葉書を見ていると、「多度津の中津万象園」という扱いになっているものもあるくらいですしね。では、現在のように万象園での展示の助言などをされるようになったきっかけは?
西山 絵葉書で思い出しましたが、万象園の広報誌の取材に来たスタッフさんに「資料館に万象園が写っている絵葉書などの古い写真が残ってないか」と尋ねられたのがきっかけで、色々と情報交換するようになりました。その流れで、「ニッカリ青江コラボ企画で『丸亀京極展』をするのだけど、何か展示できそうなものは無い?」と軽く聞かれて、軽く「ありますよ」と言っちゃったもんだから……(笑)
――その軽いスタッフは私なのですが(笑)、西山館長は頼んだら何でも力になってくださるので、甘えまくらせていただきました。本当にありがとうございます。『丸亀京極展』で展示企画に苦しんでいる時も、町立資料館から武田三郎先生の版画を出展いただいただけでなく、各方面のお知り合いにも当たっていただき、多くの貴重な資料を展示することができました。
西山 あの時は大変でしたね。僕も手伝うと言った以上、何とか力になりたいと思って頑張りました。万象園で保管されている京極家の貴重な資料も見ることができ、勉強にもなりましたよ。
――実際に展示に携わられて、何かお気づきになられたことは?
西山 さすが、バルビゾン派の貴重な絵画を収蔵されている美術館だけあって、資料の保存状態はいいな、しっかり管理されているな、と感服しました。同時に、「もったいないなあ」とも思いました。
――それはどういった点が?
西山 折角いい収蔵品があり、広く壁面展示できるスペースがあるのに、活かしきれてないんじゃないかと。企画展示をするには、テーマへの専門性や話題性に基づいたタイミングが必要ですが、それにはやはり、常に情報に触れている学芸員の力が不可欠になってきます。万象園さんには長く学芸員が在籍されていないこともあり、持っている資産を使って面白い展示をするチャンスが来ても、それを逃している印象があります。
――どうすればいいでしょうか?
西山 人脈や経験を持っているベテラン学芸員さんに入っていただくと話が早いのですが、そうも簡単にはいきませんし……。とは言え、僕が携わった短い間でも、万象園さんに足りない部分を、その道のプロが少しずつ支え合うスタイルが生まれてきて、「学芸員がいないなりのやり方」がだんだん見えてきている気がします。そういう「万象園の方向性に共感し、万象園と一緒に歩んでいただける仲間」を増やしていくと、更に道は拓けそうな気がします。それこそ、そんな考えをお持ちの錚々たる識者の皆さまが賛助会員になっていらっしゃるのですから、どんどん意見を採り入れてはいかがでしょうか? 僕も「丸亀美術館の壁面を使って、多度津が誇るアーティスト・速水史朗先生の平面作品を展示したい」という学芸員目線の希望をダメ元で伝えてみたら、共感する皆さんが知恵を出し合ってくださり、最終的に素晴らしい展示になりましたし。
――そういう繋がりがこれからどんどん広がっていくことを想像するとワクワクしますね。西山さんが今後万象園を使って何かやってみたいことはありますか?
西山 庭園にアートを展示して、現代アート展をやってみたいですね。僕がプロデューサー的な立場で携わっている「たどつアートフェスティバル」では、アーティストによる演出を展示する「演示」の手法を増やしてきました。万象園という広大な大名庭園を使って、何か動きのある演示をやってみたら面白いんじゃないでしょうか。夜もスポットライトを当てて演出すると、独特の雰囲気が出そうです。
――夜間ライトアップも好評でしたし、動きをつけて現代アートを演出すると楽しそうですね! その時は、是非またお力を……。
西山 やっぱりそう来ちゃいます?(笑) 喜んでお手伝いしますよ! またうちの資料館とコラボしても面白そうですね。個人的には、大ファンの福本百恵先生の作品で演示できるといいなぁ……。
―――福本先生も万象園ファンなので、お願いしたらワンチャンいけそうな気が……(笑) でも、こういうことなんですよね?
西山 そういうことです!(笑)
第10回 多度津町立資料館 館長 西山慶祐さん

――西山さんには、昨年の速水史朗先生の作品展をはじめ、中津万象園丸亀美術館での展示において、学芸員の立場から何度もアドバイスをいただいております。お忙しい中にもかかわらず、いつも展示室まで足をお運びいただいて貴重なご意見をたまわり、本当に助かっています。 散々手伝ってもらっておいてこんなことを聞くのもなんですが、どうしてそこまでしていただけるのでしょう?
西山 僕は多度津生まれの多度津育ちで、子どもの頃から中津万象園を訪れる機会も多く、親しみがある場所、というのはあります。美術展を観に来たこともありますし、幼稚園児の頃にお茶を習っていたこともあって、園内にお茶を飲みに来たこともあります。祖母が懐風亭をよく利用していましたので、一緒に食事にも来ていました。今の自分の生き方にも繋がる、大切な思い出が詰まった場所です。
――一般的な丸亀の子どもたちよりも、間違いなく親しんでらっしゃったのですね(笑)
西山 もちろん子どもの頃は親しんでいただけでしたが(笑)、町立資料館で館長をしているくらいですから、もともと郷土の歴史が大好きなんです。多度津は丸亀京極家の支藩ですし、その丸亀京極家の大名庭園には、郷土の文化財としても当然興味がありました。場所も多度津に近いですし。
――万象園の戦前の絵葉書を見ていると、「多度津の中津万象園」という扱いになっているものもあるくらいですしね。では、現在のように万象園での展示の助言などをされるようになったきっかけは?
西山 絵葉書で思い出しましたが、万象園の広報誌の取材に来たスタッフさんに「資料館に万象園が写っている絵葉書などの古い写真が残ってないか」と尋ねられたのがきっかけで、色々と情報交換するようになりました。その流れで、「ニッカリ青江コラボ企画で『丸亀京極展』をするのだけど、何か展示できそうなものは無い?」と軽く聞かれて、軽く「ありますよ」と言っちゃったもんだから……(笑)
――その軽いスタッフは私なのですが(笑)、西山館長は頼んだら何でも力になってくださるので、甘えまくらせていただきました。本当にありがとうございます。『丸亀京極展』で展示企画に苦しんでいる時も、町立資料館から武田三郎先生の版画を出展いただいただけでなく、各方面のお知り合いにも当たっていただき、多くの貴重な資料を展示することができました。
西山 あの時は大変でしたね。僕も手伝うと言った以上、何とか力になりたいと思って頑張りました。万象園で保管されている京極家の貴重な資料も見ることができ、勉強にもなりましたよ。
――実際に展示に携わられて、何かお気づきになられたことは?
西山 さすが、バルビゾン派の貴重な絵画を収蔵されている美術館だけあって、資料の保存状態はいいな、しっかり管理されているな、と感服しました。同時に、「もったいないなあ」とも思いました。
――それはどういった点が?
西山 折角いい収蔵品があり、広く壁面展示できるスペースがあるのに、活かしきれてないんじゃないかと。企画展示をするには、テーマへの専門性や話題性に基づいたタイミングが必要ですが、それにはやはり、常に情報に触れている学芸員の力が不可欠になってきます。万象園さんには長く学芸員が在籍されていないこともあり、持っている資産を使って面白い展示をするチャンスが来ても、それを逃している印象があります。
――どうすればいいでしょうか?
西山 人脈や経験を持っているベテラン学芸員さんに入っていただくと話が早いのですが、そうも簡単にはいきませんし……。とは言え、僕が携わった短い間でも、万象園さんに足りない部分を、その道のプロが少しずつ支え合うスタイルが生まれてきて、「学芸員がいないなりのやり方」がだんだん見えてきている気がします。そういう「万象園の方向性に共感し、万象園と一緒に歩んでいただける仲間」を増やしていくと、更に道は拓けそうな気がします。それこそ、そんな考えをお持ちの錚々たる識者の皆さまが賛助会員になっていらっしゃるのですから、どんどん意見を採り入れてはいかがでしょうか? 僕も「丸亀美術館の壁面を使って、多度津が誇るアーティスト・速水史朗先生の平面作品を展示したい」という学芸員目線の希望をダメ元で伝えてみたら、共感する皆さんが知恵を出し合ってくださり、最終的に素晴らしい展示になりましたし。
――そういう繋がりがこれからどんどん広がっていくことを想像するとワクワクしますね。西山さんが今後万象園を使って何かやってみたいことはありますか?
西山 庭園にアートを展示して、現代アート展をやってみたいですね。僕がプロデューサー的な立場で携わっている「たどつアートフェスティバル」では、アーティストによる演出を展示する「演示」の手法を増やしてきました。万象園という広大な大名庭園を使って、何か動きのある演示をやってみたら面白いんじゃないでしょうか。夜もスポットライトを当てて演出すると、独特の雰囲気が出そうです。
――夜間ライトアップも好評でしたし、動きをつけて現代アートを演出すると楽しそうですね! その時は、是非またお力を……。
西山 やっぱりそう来ちゃいます?(笑) 喜んでお手伝いしますよ! またうちの資料館とコラボしても面白そうですね。個人的には、大ファンの福本百恵先生の作品で演示できるといいなぁ……。
―――福本先生も万象園ファンなので、お願いしたらワンチャンいけそうな気が……(笑) でも、こういうことなんですよね?
西山 そういうことです!(笑)
